堆積する、あらゆる羽で世界は作られる/千月 話子
 

 堆積する僕らの羽で世界は作られるという話。


リノリウムの床を滑らない上履きの爪先
ゴム製の高音が窓に当たる
スーパーボールの見えない躍動
それが、君らの証しだ。 そして


四十人ほどの混ざり合う体温
教室の四方八方に散らばる
気にかけられない騒々しさは
体の倍もある白い羽の
止められない羽音を隠す 無意識


柔らかい午前の光り見上げる
大きな窓を開け放ち
ムズムズと抜け落ちた羽、羽毛
 それは 一斉に舞い上がり
 遠く 近くへ。 そして


世界を構築するという層として
堆積する養分の若々しい輝きに
未来はその時代を見つけるのだろう
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