詩の現実主義/葉leaf
 
代詩の修辞はどれも似たり寄ったりである。
 現代詩がこれまで成し遂げてきた芸術的完成度の追求は決して否定されるものではない。むしろ、それは積極的に活用していくべきものである。だが、作品世界を自閉的世界に閉じ込めたり、テクストの表層の遊戯にとどめたりするのはもう終わりにしてよいのではないか。そうではなく、これまでの現代詩の洗練をしっかりと身に着けたうえで、外の世界へと向かっていくことが今後求められている。現代詩の文体的強度を利用しながら、現実の人生や社会へと問題提起をしていくということ。これまでの内閉的なポリシーを総合・応用しながら現代詩の世界の外の人でも共鳴できるようなメッセージを発するということ。現代詩にはこれから外へと向かうコミュニケーションが要請されている。

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