HOPE/直治
 

貧しい心のまま起きておる
錆びついた蛇口が夕陽に映える
さみしい気分がつづいている日盛り
孤独の小さい足音さしている
星空あいている扉がひとつある
遠くエネオスの灯りがさみしい田舎
一つ池をはさんで団地の灯り
無人駅の木陰にたまる人々だ
ふと目をはなすとしずかすぎる部屋だ
死期を待つように朝の一服
うすい珈琲と外の日差しに出ている
吐くほど飲んで朝になりたい月夜
月も映さない部屋で顔赤くしている
さみしく明け暮れて盆まつりの提灯
真夏の玄関口で営業断られている
かすかなる水音に吠える夏だ
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