exit/桂
太陽と月が頭上で何度も入れ替わる星の上で
ふっと考える
俺はあと何度変われるだろうか?
ローマが一日にして為らぬというなら
一人の人間が完成するには一体どれだけの月日が必要なのだろうか?
もしも棺の中で穏やかに眠っている彼が人の完成した姿だとすれば
俺はただ何もせず時を待っていれば
彼に近づいているのだろうか
どれだけ考えて答えはきっと今の俺には見つからないだろうが
もがいていればいつかは見つかるのだろうか?
今のままではいけないと
頭の中で警報が鳴り響いている
何をすればいいかわからない俺は
とりあえず非常口を探している
でも笑えることに自分が何から抜け出そうとしているのかわからないまま
今日も階段を駆け下りているんだ
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