九月/
山人
心なし風はためらいながら
言葉の破片を引き連れて
鬱蒼とした森へと向かう
真実は青く沈み
均された虚像は
幼気にしずまりかえる
ブルー
光沢のある青い魚が
静まり返った淵の中を
思いついたように尾を翻し
河床の色に程よく溶け込んで
水とともに揺らめいている
戻る
編
削
Point
(2)