厭離穢土、欣求浄土/飯沼ふるい
 
、(いつた
いなにをひつようとしてゐるのか、セ
フレというウソみたいな関係にすがり
たくなる場合もあるんだろう。結局は
いつだって他人事だから(かんがへる
だけかんがへて、いつまでも童貞だ。

うねるような(子午線を幾度も跨ぎ、
灯りに照らされて、煤や灰やにまみれ
ていることに気付く。洗うダルさを思
いながら(いみじくも人を阿呆にさせ
続ける、身体のあちこちの黒い染みを
検分していると、それらは次第に俺の
身体を侵食して点々とした(裏切りの
数々、孔をあける。割礼、そういう言
葉が(繰り返し、よぎる。真っ黒な孔
があいたぶんだけ(繰り返し引きちぎ
られる、身体が軽
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