悲しみ/
風の化身
ぽつりぽつりと
降り出した
雨粒のような哀しみ
傘が無いので
避けようもなく
手を翳しても
隙間を抜けて
私をめがけて落ちて来る
それは
とても小さな粒だけど
胸に当たると冷たくて痛い
夏の真ん中にいても
真冬の手の中にいるようだ
濡れた
オブラートのような私が
しゅるしゅると溶けて行く
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