瞬きのうた/あらい
余白があるうちに死んでしまいたい
真新しい僕が、毎夜作り直される
アクリルの積み木の影に
いろとりどりの言霊を併せて魅せて
音を便りに遺せないように
戦ぐことしかできやしないと
口走ったものですから
うたは永遠に噤んだのだと
その瞬間の思いに呑み込まれては
足跡を書き出しているみたいな
風が綻び始める時を待ち構えていたい
飛ぶ鳥すら見いだせないなら
昏き闇に塗り潰されたは
僕の眼差しだけであったと
道行くものは知らぬであろう
僕はふつうで在りました。
愛に逆らうように因果を露光して
焼き付かせて残ったものだけを
拾い集めて僕を作り出してください
どうぞ君のお好きなように
僕は流され続けたいのです
今を亡くしてしまう前に
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