心の部屋/
風の化身
寂しさの淵に腰かけて
心の中をそっと覗いた
心の中は
夜の底のように暗い
でも
暗いけど案外広い
雨は降らないけど
少し湿っている
部屋のあちこちに
カビの生えた優しさや
傷ついた微笑みが転がっている
朽ちかけた怒りや
錆び付いた苦しみまでも
無造作に捨てられている
手探りで歩いてみるが
夜道を歩いているようで
今にも躓いて転びそう
奥の方に
涙になる前の悲しみが
座っていた
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