炎と花の色/まーつん
 
藤の色

私たちもまた
座して動かぬうちは
種を撒かなければ
芽が出ず、幹も伸びず、葉が茂らず
どんな色の花も
咲かせることはできない

そんな、無理やりなオチを付けて
今日も、人生に躓いた自分を
立ち上がれ、と励ますのだ

走れなければ、
歩けばいい
歩けなければ
這ってでも

熟成もまた燃焼の一つ
ゆっくりとではあっても
内なる何処かで
燃えているのだから

見上げれば
まばらな星と
暗い空

コロナ禍故、遠くなった
夏の夜の花火を偲んで


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