炎と花の色/まーつん
 
銅、リチウム、カリウム
これらの金属は
ある種の状態で
炎に炙れば燃え盛るが

緑、紅色、薄紫という風に
それぞれが、違った色合いの
火を吐き出す

情熱が
その上昇気流が
人の顔から建前の仮面を吹き飛ばし、
高らかに本音を歌わせるように

炎によって、物質は
冷ややかな常態から遠のき
個性的な本質を
さらけ出すのだろうか

燃焼、燃え尽きる事
朽ちるでも欠けるでもなく
燃えるということ

熱は粒子を活動させる
熱が電子を励起させる

花を広げるように
ミクロの世界で
原子は束の間
その姿を変える

緑、紅、薄紫は
萌木、山茶花、藤の
[次のページ]
戻る   Point(4)