暗闇から手を伸ばせ/
ミナト 螢
夜道でひとりになると
良くないことばかり考えてしまう
星が綺麗なのに
過去に囚われた両足が
金縛りみたいに動けなくなって
全てを振り切って前に進めるような
魔法の言葉で自分を差し出そう
この手が光を掴むには
あまりにも短いのかも知れない
それでも未来を側に感じたくて
伸ばした指先が地球を捲ろうとする
痛みの真ん中に置いていく
真面目な爪が剥がれても
ほんの少しだけ闇が溶けて
残った眩しさを余らせた
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