カウントダウン/ミナト 螢
 
背骨を丸めて翼が生えた
誰かと重ならないように
うまく広がって風に吹かれて
ひとりで飛び回るたびに
空は遠くまで逃げて
どうしても追い駆けたくなる
冒険とさよならをした人には分からない
この道が白いあくびで消える前に
僕は何を吐き出せるだろう
雲みたいに変わりやすい気持ち
十字路で切り刻みながら
働き者の顔をして生きたい
夢とか愛とか犠牲にしても
タイムカードの終わりが来る前に
誕生日を祝って貰いたくて
辿り着けない場所に憧れる
命を数えるために
見下ろすだけで綺麗な
墓参りのろうそくが
勇者のケーキを溶かす
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