事実無根の、幸福でした。/秋葉竹
 



逃げたのはおそらく一番人生で大切な鳥、夢が横切る


これ以上吐き続ければ笑顔さえ失くす気がするじぶんへの嘘


黄昏に卑屈にならぬよう歩く知る人もなき異国の街並み


サヨナラを言われた暗い隧道で、哀しい笑顔がそれでも綺麗で


告白もできず親しい友として握手し別れた小雪ふる駅


「来年は妻と別れる」イミテーションゴールドみたいな嘘を吐かれる


もう君に出逢えただけがラッキーと思うしかない、悲しみの果て


黒板に大きく書かれた相合傘、事実無根の幸福でした。








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