てっぽう/yo-yo
 
調でじゃれたりしとると
おんじゃんの顔が宗匠づらになりよった
われはあほか
俳句には季語ゆうもんがないとあかんのや
春には春の秋には秋の花が咲きよるやろ

春夏秋冬
のんべんだらりのおれ
花の名前も知らへんかった
念仏のような俳句がなんぼのもんや
おんじゃんの腹巻の中へ突っ返してやった
ほしたら宗匠はきんたまかきながら
口をぱくぱくしとったもんや

五七五や
たったの十七文字や
われはそんなんもでけへんのか言うて
大根でも切るように切って削って
言葉を五七五に揃えようとしとった
ほんでもって言葉がだんだん少のうなって
俳句ひとつぶんくらいになってしもた

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