真夏の夜中から明け方にかけての少年/hayasakaakira
て、屋上から羽を伸ばし、フッフッ、飛ぶだろう、フッフッ。
トイレを出た。
「いらっしゃいませ」
「150円になります」
「ありがとうございました」
時間が来たので店をでる。
何か書いてある。あの娘も、もうすぐ死ぬ人なのかもしれない。
足音が。
その日、新潟は洪水で東京は43℃だった。
午前4:30、あの窓の人影は急いで電気を消した、ポケットから手をだしてみる
ここです、ここです、急がないと、遠くに見える赤い光。
窓辺に寄り添う人影の揺らぎ。
喉まで来ている言葉の閾値。
あ、あ、あ、フフフ。
日が顔を出す予感の中で、コンビニはもう遠かった。
夏。不毛。道の向こう側の空から朝日が射し込み、
あの娘は何かが入ったビニールを振りながらそちらに歩き続け、
その曙と彼女に背を向けて、逆光で黒く翳りながら、
ゆっくりとペットボトルを耳に当てた。
そして遠景に滲んだ。
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