陽炎の歌/秋葉竹
 


くらい?を引きつらせて
うつむく麦わら帽子、
伸びた首すじに圧しかかる
逃げられない、罪の意識。


戦場に投げ捨てられた
100を超える銀縁眼鏡たち、
鋭く回転する、音を立てて飛ぶ
裏切りの見えない弾丸。


刻まれる時を止める悪意と
呪詛を捻じ曲げる激しい息遣い。
なだれ落ちる悲しみを音符にし、


世界にただひとつの醜い掠れ声で
疼く自傷の手首を、胸の裡に隠し
歌い上げるのだ、陰鬱な陽炎の歌。





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