夢を見るのは悪いことではないけれど/ホロウ・シカエルボク
ころに
時が過ぎるということがすごく
ものすごく不思議に思えたことを覚えています
たとえば
授業を受けている時に
(いまはこうしているけれどいつのまにか家に帰っておやつを食べたりしているのだろうな)
などと思い、数時間後にそれはやっぱりそうだったと
口元を汚しながら思い知っているのです
眠ることもそうでした
昔からあまり寝付きのいい人間ではなく
薄暗い部屋でぼんやりと天井を眺めながら
いつの間にか朝になっているんだろうななどと考えを巡らせておりました
わたしは頻繁に
いまをどこかに落としてしまっている気がします
ねえ、あなた
わかりますか
わたしの生はいつもどこかに
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