泣かない誓い/秋葉竹
 


かすかな不安に怯えていたの


まどろみのあさ
白いレースのカーテンは揺れ

陽はあたたかくこの部屋へ
安らぎを落としていたわ

綺麗な花よりも綺麗な花瓶がテーブルに置いてあり

そのうち枯れてしまう花びらが落ちるのが怖いので

わけもなく立ち上がり小さく口を開けて
花びらを口にしながら
人生の誤りを認めている
からもう責めないで
くださいね


かすかな不安に怯えていたの


また避けられない逃げ腰がいつわたしを襲うのか

わからないままだと生きてゆけない苦しみを
だれからも理解されないことだけは
ずっと昔から知っていたし今も知っているわ

そして新しい光をみたときに
避けられない苦々しい嫉妬が
いつまでわたしをみないふりをしてくれるのか

それが枯れ落ちてしまうまでに知りたいことの
最後の希望のようだから

それまでは
泣かないで
笑っているんだと誓うわ






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