爪痕/
ミナト 螢
稲妻が切り裂いた空は
爪を当てた人の背中だ
もう感じることのない熱や呼吸を
どうして空気は真似するのかな
生温かい風が頬に触れると
爪を噛んで歯がボロボロさ
少しも前に進めない夜を
低く見積もって深く嵌った
ボールを蹴飛ばしゴールに突き刺す
運命線の間を抜けて
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