メローイエロー/ミナト 螢
 
夕立が放課後を削り過ぎて
帰れなくなったから
風鈴の中で揺れていたい
かつてひまわりが咲いていた場所
背もたれにした花びらで汚れた爪
チリンと響くガラスの窓には
思い出がこびりついて匂う
頭をぶつけて記憶に出会うまで
僕のおでこに風が辿り着けば
子守唄ひとつ聴かせてくれた
風鈴が壊れそうになる
いま一筋の雨が煌めいて
洗い流してく夏の深呼吸
空に挟まれた尻尾は星か
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