短歌そのた置き場/朝倉キンジ
 


(明け方に、
鉄道信号ついています
ワンマン電車出てきます

誰もいません、
信号は青く点灯します)


・・・すべての物性のあらわれ
どこか冷たい暗冥のなか、
時代の億劫の一点
純粋な透過性をたもち
燐灰石が六方晶系を提起しつづける
それを見通せる場所がいつかあったのだ

しかし仮定もできない空間(スペース)を
ひとが通る可能性は決してわからないから

磁気圏あたりで何処からか
遭難信号が不定期に流れてきたり

都市のスペクトル系列のはざま
仮想の電光板というようなところに
謎のメッセージが残っているとしても

誰にも気付かれない

         
           

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