短歌そのた置き場/朝倉キンジ
(明け方に、
鉄道信号ついています
ワンマン電車出てきます
誰もいません、
信号は青く点灯します)
・・・すべての物性のあらわれ
どこか冷たい暗冥のなか、
時代の億劫の一点
純粋な透過性をたもち
燐灰石が六方晶系を提起しつづける
それを見通せる場所がいつかあったのだ
しかし仮定もできない空間(スペース)を
ひとが通る可能性は決してわからないから
磁気圏あたりで何処からか
遭難信号が不定期に流れてきたり
都市のスペクトル系列のはざま
仮想の電光板というようなところに
謎のメッセージが残っているとしても
誰にも気付かれない
戻る 編 削 Point(4)