思えば、出口なんてイデーをはっきりそれと認識したのは/ホロウ・シカエルボク
方をする木なのかもしれなかった、角度によっては、臨戦態勢に入ったサイのように見えた、どの廊下にも同じように端に採光用の天窓があり、ドアがあり、椅子が並んでいた、人気はまるでなかった、廃墟なのかもしれないな、と考えたが、すぐにそれを打ち消した、廃墟にしては綺麗過ぎるし、なにより、空調もライトもきちんと稼働しているのだ、四隅は線がはみ出すように少し伸びており、その部分にはトイレや、給湯室や、用具入れなどがあった、最後の角にエレベーターが設置されていた、階段は見当たらなかった、俺はエレベーターを呼んだ、ここは一階らしかった、天窓のあるはみ出した部分は、この階にしかないのかもしれない、建物は五階建てらしか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)