あの夏の日の追憶/viraj
 
ちっちゃな線香花火だった。

どうしたんだろうこの恐怖は。

どこかから沸いてくるんだろう。

あまい不安が、不安定な心がどこまでも悲劇的な結末に終わるとしても

残酷な運命を超える愛を信じてる。

賭け続けてるんだ。

また、会おうね。

聖者は断じて女と真実を関係付けることはない。

なぜならそれは、聖霊への罪だから。

君はなんとつよいんだろう。

また10年後、君と会ったとき、君は私のことどう思うのだろう。

牢屋に幽閉されたサドの秘密がマゾヒズムであったように、

死はどんな英雄をも蝕んでいく。

というのも、勇気というのは恐怖に勝つに
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