水蜜桃の夢/青色銀河団
 
土手沿いの夕焼け小焼けの帰り道
君の口笛をきいていた




さみしいと死んじゃうウサギに向けて
滅びの笛を吹きつづける夜




初めてきみとキスをした
ゴッドファーザーのクラクション聞こえし夜




ひとつぶの少女の涙の海原を
航海(たび)する船が夕日をめざす




風信子(ヒアシンス)水中で何も掴めず生きてゆく
僕らの夢に似て




少女の想ひ出のごとき赤き風船
夏空に吸ひ込まれゆきぬ




夢の中に青いキリンが住んでいて
僕のコートをずぶ濡れにする




宿題を閉じると夜がやって来た
森でフクロウが動き出す頃


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