恋心/ミナト 螢
目の前にケーキがあるのに
フォークで刺せないのは何故
まるであなたが困るのを
知っているから遠慮したんだ
嫌われるのが怖いから
この一行を死ぬまで離さない
うだるような暑さの中で
生クリームが溶けていくように
あなたの心に隙を見つける
私はスプーンみたいな
丸い言葉を運んであげる
擦り減ってばかりのあなたが
元気になる場所はここだよ
信じて疑ってもまた側にいて
こんな言い方じゃ伝わらないかな
化粧をするために鏡を見る
私の顔は時々、曇る
返事を欲しがるうちに
少しは期待したくなる恋心
あなたの笑顔だけが
何よりも私を輝かせる
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