JKだって自殺したい/ゆるこ
 


片田舎の単線はこころの隙間を
ゆっくり増やしてゆく時間がある
まるで泥水のなかを泳ぐように
深くヘッドフォンを刺す

信号のない、点滅した街の
壊れたコンクリートの道を
みんなに合わせた丈のスカートを
出目金のしっぽみたいに揺らめかせながら
死にそうな色の空の間を、
死にかけた魚のように泳ぐ

大人はいつだってピエロみたいに酒を飲み
夜の闇のような息を吐く
死にかけのJKたちは骨を軋ませながら
排水溝の先にある濁った笑顔を零す

ひたすら先をみて漕いでいても
ホームセンターで買った自転車ではどこにも行けない
私たちの世界の果て
夕焼け小焼けが鳴り響く

履き潰したローファー、靴下の抵抗
通学カバンのワンダーランド
井戸の中の恋愛、その別れ
単線の車内はいつだって
行き場を知らないJKの群れが
殺し合いを続けている

あの、夕焼けの先に行きたい
それでも日は早く沈み
朝は何度も訪れる
JKたちの魂が救われるまでのカウントダウンは
すでに始まっているのに


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