セレスティアル/朝倉キンジ
 
空気中を諸分子が漂うとき
光と一緒に駆けていく何かがいます。

冷たいかぎりの空のむこうに
銀色の紙がヒラヒラ見えるでしょう。

あれはその何かが 早朝の霧雨の中で
願いを燃やしたので そう見えるのです。

そういうわけで 冷たい霧のむこうから
小型の記憶が見え出したら
私も出発しなきゃなりません。
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