ぽっかりと空いた穴みたいな時間/ホロウ・シカエルボク
 
選んで生きている、自分が飛んでしまっても、決まった動きを繰り返していれば出来るようなものばかりを…おかげでどんなトラブルを巻き起こすこともなかったが、そのせいで意識の脱線は年々派手になっていった、酷い時は半日余り、現実の中で生きていないこともあった、それも、断続的にではない、延々と、数時間続くのだ、現実に帰ってきた瞬間には、幽体離脱でもしていたかのようにぐったりと疲労してしまう、まあ、実害と言えばそれぐらい、だから、文句は言うべきじゃない…だから俺は、仕事がない日にはこうして手近な山に登り、人の居ない場所で意識を自由に飛ばす、じっとしていればダメージはない、俺は凧を上げているかのように、中空を見上
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