デュカットは静かだ/即興ゴルコンダ(仮)投稿/こうだたけみ
 



  その背中には羽
  曇天模様の空の下
  ツバメのように飛ぶんだと

低く、ひくく

  腰をかがめてそうっと進む
  ずしりと重いのは
  右か左か誰の足


船が着いてかれこれ一時間は経っただろう。
上から下まで探したところで灯台には何も見
つかりゃしない。レイ・ブラッドベリが「音
を作ってやろう」と言った時から空想をやめ
られない。何かが詰まったままのおもちゃの
ラッパを吹くような、寝返りを打つとたまに
通る鼻炎持ちの鼻の穴のような、

 音

教会のピロティはひとたびそれをとらえると
わんわんと反響する。腕についていた毛虫を

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