少年の夜/ミナト 螢
 
オルゴヲルの中で星が廻る
そこで夜空より少し明るい
黄昏を知って優しくなった
街の十字路に消えていく人は
昔の記憶を抱えたままで
お子様ランチの旗は
どこの国のものだったのか
そもそも作り物の
世界なのかも知れない
握って離した力が分かれて
いつから本物になるのだろう
人を信じた時かな
人を愛した時かな
懐かしさはもう言い訳に出来ず
雲が取れるように
角砂糖を入れなかった
コーヒーの苦味は僕の同級生
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