腐ったこーひー店/ふじりゅう
窓辺の白い靄に似た雨が
都の煌びやかな二酸化炭素へ憧れて
ぽつりぽつりと呟くように
私の廃墟へ響き渡る
ここは
「腐ったこーひー店」
店全体が
そろそろ偲びあるく
煙草の煙に抱かれて
私もみなと同様に
命を啜るように、コーヒーを
新聞の日付は確かに本日であるが
とても本日とは感じられない
薄汚い未来都市の情勢を
閉じると
誰一人として
何かを読んだり/聴いたり/など
せずに
五感全てを使って店内を飲み込んでいる
なるほど
カップに鈍く光る、光
の、訳をうすぼんやりと知った
腐ったこーひー店とは、
また、言いえて妙なものだ
ここに、枯山
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