星屑の詩/樹 なぎ
夜空に手が届いたなら、星を触ったなら、
どんな感覚だろう。当たり前に恋をして、
幸せ、そうかな、君のためなら、地球が、
逆に回って日の出で止まる、そのせいで、
星は見えなくなって、それが、幸せって、
果たして言えるだろう。嘘が私を包んだ、
優しさの体温に触れて、息が白くなって、
君なしには生きられなくなった。それで、
私は死んだも同然だよ、ニュースと同じ、
蒸発して誰かの心に雲を作って、けれど、
そんなのすぐに消えて、雨が降っただけ、
無限の時間の中で、忘れられていくんだ、
そうして君がいた証明も消えて、私達は、
最初から存在していなかった星屑に戻る。
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