名を与える/凍湖(とおこ)
 
名を与える。
それは魔法。
そのもののかたちをあらわし、いつでも呼び出すことができるようになる。
ひとに伝えることができるようになる。
口から口へ、文字から文字へ
なにもかも、どこまでも伝播していく。
そのものは海をこえ空をとび
いつかどこかで色あいや味わいが変わり、なんだかすっかり別ものになってしまっても名前は同じ。
別ものになっても同じものとして続いてる。
名前は魔法。

だから、名づけなくていい
なにもかもには。

そういう自由さがあるんだって、気づいた。

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