寄生虫の頭を捕まえて喉から引き摺り出す/ホロウ・シカエルボク
 

世界は水晶を透過したかのようにどこか輪郭を甘くして、副作用で冷えた俺の身体は冷蔵庫の果物みたいだ、生来的なペインに砕かれた午後の欠片、台所洗剤がバラす油のように居なくなる、ラジオで聞いたコクトー・ツインズの残響、緊急車両が交差点に突っ込むときの合図、テレビでは死者の数が表示されてる、そいつらはきっとウィルスが生まれなくても死んだだろう、荒く引いた胡椒が降り積もるような空虚、真っ白な画用紙に真っ白な絵具は、きっと…あらゆる空白はあらゆる過密と同じ、その証拠にどちらも呼吸不全を連れてくる、銀色の器具で体内を掻き回せ、穿たれた穴から害虫は這い出るとしたものさ、オシログラフには本当の死を語ることは出来
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