帰り道の詩/
ミナト 螢
お土産もないのに
何故だか安心してしまう
帰るだけの道に
口笛を外れたメロディが
天使の輪っかを逆さまにすると
雨が降り始めて足を止めた
屋根が欲しいなトタンで良いから
ついでに君の家を見落とした
水彩画の中でふたり
傘を差す日までひとり
パステルの爪を乾かす
ビルがない街には
夢を飼う場所がなくて
光に撃たれた胸を膨らます
あのね、でもさ、
また明日なんて言えたら
遠近法みたいに離れるよ
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