45X円の消失/asagohan
棚から無くなってしまった45X円のサラダ
他の商品が代わりに入っている
千切りキャベツとブロック状にカットされた豚肉
そこに、ナッツが散りばめられて
噛んだときに、コリッと弾ける。
他のサラダにはない充足感を与えてくれた45X円のサラダ
もうない。
45X円は、サラダにしては高い。
試作品だったんだ。
そして、負けたんだ。
何かに。
代わりの35Y円のサラダへ無造作に手を伸ばす。
手を伸ばした瞬間、僕の中で消失は消滅に変わる。
1は0になる暇も与えられず、代わりの1になる。
そんな仕組みに気づいてしまって
また別の1になった僕が会計を済ます。
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