一瞬/こしごえ
 
水晶の心臓をもつ
あのこの
心音は星雲できらきらと鳴っている。

せせらぎを さかのぼる果実は咲いて芽になり
(一瞬)
しんとひとみは黒く澄む。

雨の鏡
(一瞬の
今)
雨のひとつぶひとつぶに映る
青白い横顔。

 (耳をかたむけると
一瞬 一瞬
  あのこの心音は空から真っ青に しみて来る)

変わらない思いをかみしめて
私よりも長生きしてくれと
あのこへ言った


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