ゆうべの喫茶店/ふじりゅう
小雨が 都を望めぬ悲しみに暮れながら
私の五感に吸い込まれゆく
そろそろと偲び歩くような
タバコの煙に抱かれている
私は命を啜るように
一口、コーヒーを・・・・
誰が云ったか、ここは「腐ったこーひー店」
高い料金を支払い
なお、、、腐ったコーヒーを啜りに来る彼等は
目に見えるもの全てを許容するように
暮れなずむ太陽の墓を眺む
「枯山水のマニュアルは
ここに持ってきてはいけない」
鈍い足音で店内を徘徊するマスター
ミルクも砂糖も存在しないテーブル
・・・・灰が、ぽろり、砕けて崩れる
・・・・しなやかな足を空想する
・・・・
急ぎ足で誰かの傘を
抜
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)