しゃくやくの妖精/
丘白月
夏が少し遅れて
影を踏んでついて来る
僕が一番好きなのは
春だと知って
遠慮しているのなら
シャクヤクの花をあげるよ
どんなに花びらを重ねても
足りない愛を
この花は知っているから
濃くなって行く影が
夏の海のように空のように
深く遠く無限に近づく
花びらの数だけ
愛を覚えているから
毎晩一輪をねだって踊る
いつか妖精が言った
私はこの星の先住民だと
花を用意して待っていたと
戻る
編
削
Point
(0)