ヒメウツギの妖精/丘白月
ヒメウツギが
今日は結婚式よと言ってる
森のシャンデリアのように
白く明るく温かな
お祝いの言葉のように
ヒメウツギが
あなたの心を見ている
森の石鹸のように
白く光っている
くすんだら洗いなさいと
ヒメウツギと
歩いた道は遠い昔のこと
涙の匂いがした
湿った森の風
白いハンカチが咲いていた
ヒメウツギの
香りに誘われて夢をつぶやく
何処かに置いて来たと
これを抱いてお帰りと
新しい夢をもらう
ヒメウツギが
白く卵のように咲く
卯の花だよと妖精が言った
卯月生まれの花だよと
一緒にもう一度生まれようかと
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