鬼蜘蛛と私(おにぐもとわたし)/こしごえ
 
鬼蜘蛛の
運命の糸で できている
巣が軒下でほのかにゆれています
この巣に掛かっている命と
今夜もゆれている私は
私と居る
鬼蜘蛛の、
ひんやりとした歌に
やわらかい耳をかたむけている
深深と

鬼蜘蛛の巣越しに
ゆっくりゆっくりと まわるように見える
星空の星星は瞬きながら ほほえんでいる

柱時計の
長針と短針が 善悪の無いほほえみと ほほえみ
それぞれの役目をしている

悪や善と言うのはヒトだけよ と 時間は一瞬じっとした。
私には悪があるからこそ善く生きたい。
善いと思うことがまるまる善いこととは限らない
それでも 命に従います それでも
それ
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