黒鍵/
ミナト 螢
街が抱いてくれない
寂しい午後でした
私は音符みたいに
橋の欄干で休んでいます
俯きながら
孤独と闘うために
黒い鍵盤を叩く人を
待っていたのに
ひとりでいることは
裸を見られるようで
冷たい黒鍵のベッドの上に
私だけが動いている
この世界でワルツを踊る
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