タイムの妖精/
丘白月
淡く赤く
想い出のような
タイムの花が咲いた
妖精の足音が聞こえる
密やかに
ハープの音のように
私は眠れない星の子供
窓を少し空けたまま
香りをひとりじめして
夢の入り口を探してる
寂しい夜は手紙を書いて
タイムの葉を入れる
宛名の無いままに
ポストに落としたなら
香りに誘われ
妖精が取り出してくれる
眠れない夜に生まれた
なぐさめの香りが
真っ白な便箋を愛する
一緒に眠ろうかと
妖精が言った
うん と返事をした
戻る
編
削
Point
(1)