濁流によって朝は足止めされてる/ホロウ・シカエルボク
 

壁に残された二年前の嘘
ストラヴィンスキーの神経症的な後味
朝食のベーコンの油のにおいが
因縁みたいに食卓にしがみついてる

ラジオ・プログラムは元気が出る歌とかそんなものばかりで
驚くほど安直に魂をカテゴライズする
悲劇も結局は多数決の時代さ
人知れず死んでいくやつらの命も同じ重さなのに

ミクスチャー・テクノ・ロックの甘く気怠い歌声
近頃は生理用品みたいな
変らない肌触りのような歌唱が流行りらしい
まったく、血塗れにしてやりたくなる

雨が狂っている
我儘な女のようだ
聞き流すしか手がない
コーヒーは残り少ない

インターネットじゃ断罪以外の手段を持
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