ルシウスとギーベンラートによる対話録?/TAT
rath」という名はヘッセの名作、「車輪の下」の主人公の名前でもある。テープの中の彼自身が実際にその名なのか、はたまたそれは芸名や役名なのか、それも私には分からないが。何はともあれカセットテープがあり古臭いデッキがあり、ペンとノートがある。そしてそこに収められている二人の男のやり取りに興味を持ってしまった私がいる。という事だ。
ルシウスは深く低い声である。一方のギーベンラートはやや抑揚に欠ける声で一本調子な話し方をする。日本語で話してはいるが二人とも特にどこかの地方の訛りや方言は無いように思う。例えば二人とも日本に来て十数年の外国人ですよと言われても納得できる。そのような印象を受ける。
読む人のせめてものイメージの助けとなれば幸いである。
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