童心/
ミナト 螢
両腕が伸びたら
大きな木の幹を
抱きしめたくて
何百年、経ったとしても
同じ場所で待っていてくれたのに
忘れてしまっていた
僕はいつの間にか
人の体を抱きたいと思うようになって
両腕はふたりの間で縮むばかり
今は全てを守りたくなるから
木の葉を揺らす遊びは風のもの
チープな踊りに髪飾り取れる
枯れ葉の穴を見つめる世界で
UFOキャッチャーみたいに
触れて壊れそうな腕じゃなくて良かった
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