[:waltz/プテラノドン
ながら
ピクルスを美味しそうに食べた。
味見させてもらったけれど、合わせるにも
美味いとは思えなかった。
でも今になってあのピクルスほど
美味いものはなかったんじゃないかと思う。
一口飲ませてくれよ
スプーン一杯でいいから
君は本当にスプーンで掬って僕に飲ませてくれた。
それで十分だった。
家に着いて玄関に向かう途中、
君は帯がほどけていることに
まるっきり気づかずに芝生の上を歩いた。
結び方がよくわからなかったのよ
僕は酔っ払った君のかわりに
藍色の帯を手繰り寄せて
結び直した。
これじゃお葬式といっしょじゃない?
僕は縛るとかじゃなく包み込んだつもりだった。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)