背表紙の彼方/灰泥軽茶
 
すうっと眠くなって
文庫本をそのまま胸におくと
パタパタと浮いて羽ばたいて
パタパタと空中旋回
ひらりひらりと文字が落ちてきて
すうっと染みる
ひとつのひとつの言葉がぐるぐると
身体を巡り私をすうっと軽くする
私はパタパタと浮いて羽ばたいて
パタパタと空中旋回
さあ行こうよどこかへ
どこまでも文字が巡るよ空の彼方




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