夏の終わりに/ミナト 螢
 
みんなどこへ行ったのだろう
遊ぶ約束をしたはずなのに
横顔さえ見せてくれないね
花火はもう割れてしまったから
会いたい理由が見当たらなくて
夏の夜に捻った心を
冷やす方が良いの
温める方が良いの
孤独には慣れていたけれど
街灯の数が減った気がする
その分だけ海へと流されて
螢みたいに飛び回った
夏の終わりに乗せた光が
喉を切るように眩しかった
戻る   Point(0)